【肌の話】化粧用植物オイルの成分比率に注目。酸化した不飽和脂肪酸が肌荒れ原因に?

今回は、植物オイルその他のオイルについての理解を深めようと思います。

今でこそ、肌断食をしていて基礎化粧品は一切使っていませんが、肌断食を始める前はオイルに対して特に疑問も持たず、適当にオイルを選んでぼんやり使っていました。
(おかげでNG行為が多かったです…)

例の如く、情報を頭で組み立てようとすると混乱してしまうので、ノート代わりにまとめていきます。

植物原料のオイルの中身

構成成分としては大きく2つに分かれます。

  • 飽和脂肪酸
  • 不飽和脂肪酸


飽和脂肪酸

構造式上、酸化されにくい。
常温で固体のものが多い。
食用としては、「常温で固形」という性質から、あまり多く摂取しないほうが身体には良いと言われているもの。

飽和脂肪酸
ラウリン酸、パルミチン酸など。

  • 多く含むもの:パーム油、ココナッツオイルなど。


不飽和脂肪酸

構造式上、酸化されやすい。
常温で液状。
食用としては、健康に良い油という認識が広まっている。
一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類される。

一価不飽和脂肪酸
オレイン酸、パルミトレイン酸。

  • 多く含むもの:オリーブオイル、椿オイルなど
  • 性質:不飽和脂肪酸の中では酸化されにくい
多価不飽和脂肪酸
α-リノレン酸(ω-3)、リノール酸(ω-6)など。

  • 多く含むもの:えごま油(ω-3)、コーン油、グレープシードオイルなど
  • 性質:非常に酸化されやすい


植物オイルの注意点、「酸化」

化粧用として使用する場合は、液状の植物オイルを使う頻度が高いと思います。
(場合によりココナッツオイルも使われると思いますが)
そうなると、オイルの成分としては不飽和脂肪酸が割合多く占めることに。つまり、

  • 不飽和脂肪酸が多いので酸化しやすい

これが大きな問題点です。

酸化した不飽和脂肪酸は、皮膚への刺激となり、肌荒れを引き起こす原因となります。

酸化されにくい一価不飽和脂肪酸は?

「酸化しやすい」と言われている植物オイルは、きちんと保管していたとしても、肌に塗布すれば空気に触れて酸化することに変わりはないので、なるべく肌に使用しないに越したことはない。

では、「不飽和脂肪酸の中でも酸化されにくい」とされるオレイン酸を多く含むオイルはどうか?という疑問が湧きますね。

しかし、オレイン酸には「酸化されにくい」という長所よりも別枠で重要視されるべき性質があるのです。
それが、「オレイン酸はニキビを悪化させる」と言われていること。

オレイン酸がニキビを悪化させるのはなぜ?

ニキビは「毛穴の詰まり」から始まる。
「ニキビを悪化させる」というのはつまり、その成分が「毛穴を詰まらせる」ことを助長していることを意味する。

オレイン酸は不全角化を誘発するそうなので、不全角化となった毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすくなると考えられます。

つまり、この理論が正しいとすれば、オイルを塗れば塗るほど脆い角質細胞が作られるということ。
これは恐怖……。

皮脂の成分にも注目

実は、皮脂自体にもオレイン酸が含まれるので、そこへ植物オイルの使用を追加してしまうと皮膚上の不飽和脂肪酸が過剰となり、更に肌荒れ率が高くなる可能性があります。


それ以外で酸化されにくいオイルはないのかい?

肌への刺激を避けるためには、不飽和脂肪酸含有量が少ない、酸化されにくいオイルを選んで使えば良いじゃないかという話になります。
ただし、あくまで「酸化」という側面に限定した場合です。

  • ホホバオイル
  • スクワラン
  • ワセリン


ホホバオイル

ホホバ「オイル」と呼ばれているが、油脂ではなく、「ロウ(液状ワックス)」に分類される。
酸化されにくい特徴を持つ。
成分中に飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸を含むが、含有量はとても少ない。
さらっとした使用感。

スクワラン

もともと皮脂に含まれている「スクワレン」に水素を添加することで、安定させた(酸化されにくい)成分が「スクワラン」。
伸びがよく、さらっとした使用感。
ただし、合成されたものであり、不自然なものであることに注意。

ワセリン

鉱物油と呼ばれる、石油由来成分。
製品により精製度が異なり、白色ワセリン→プロペト→サンホワイトの順に精製度が高くなる。
(精製度が高いほど不純物が少ない)

不純物の中には不飽和脂肪酸が含まれることもあるので、不純物による刺激を避けるなら精製度の高いものを選ぶ。
使用感はベタつく。
保護膜としての役割。

追記:オイル系を選ぶ際の注意点

結局のところ、肌が弱いのならどんなものでも刺激となりうるので「何も使わない」に越したことはないのですが、そうもいかない場合もあるかと思います。
そのときに何を選ぶか悩むでしょうけど、うっかり粗悪品を選んでしまうと別の落とし穴(尚更刺激が強くなったり等)があるので注意が必要です。
たとえばですが、

  • 製品の製造過程(薬品を使って抽出していないかどうか)
  • 価格が安すぎる場合には何かがある
  • 環境や人体のことをよく考えているメーカーかどうか(ここを蔑ろにしていると粗悪品率が高い)

この辺りは選ぶ前に疑ってみましょう。

因みに私は長年の肌断食により「何もつけない」に慣れたので基本的にオイルは必要なくなりました。
訳あって最近、環境問題にも目を向けるようになったので、本当の意味で「肌によいもの」を選ぶため、勉強し直しています。


まとめると

  • 化粧用に植物オイルを使う場合は、含有成分(脂肪酸の種類)に注目する
  • 成分的に酸化されにくいオイルを選ぶ
  • ニキビができている、またはニキビができやすい場合は、オレイン酸を多く含むオイルは避ける
  • オイルの品質(製法)や純度にも注意する


追記:米ぬか油を使い始めた話

武道を習い始めたことにより、足裏ケアをせざるを得なくなりました。

で、結局、米ぬか油を選んでます。
(足裏使用のため酸化&毛穴問題は考慮せず)

おわりに

また調べているうちに新たな発見がありましたら記事にまとめます。