(※中段逆突きの図)
空手初心者の悩みどころ。
長年、空手に慣れ親しんできた熟練者であれば、取るに足らない悩み(悩みですらない)ですけど、
空手初心者にとっては大きな壁が立ちはだかっていて、越えられない。
難関の壁のひとつ、今回は「再現できない動きのキレ」についての悩み。
空手の動きは「とにかく早い」
有段者の形演武を初めて見たときは、動きを目で追えないことが多いです。
どういう動きの繋がりか?がまったくわからない。
動きが早すぎて目で追えないのですよ。
なので、見て覚えて真似ることは難しい。
というか、よほどでない限り再現できないと思います。
それだけ、有段者と空手初心者には身体能力に差がありすぎる。
ただの「突き」ですら再現不能
拳を前に突き出すだけの「突き」ですら、全身を連動させて突く繊細な動作だったりする。
腕の力だけではない。
腕の力に頼ると決まらない。
そこのところの微妙な力の匙加減というのが本当に難しい。
全身を協働させることで、技に高い効果を持たせます。
例えば、右の突きのときに左の引き手の力を利用する。左の蹴りの時には、軸足である右足がしっかりしていなければ、上手く蹴ることはできません。
攻撃、反撃のポイントに最大の力を集約するよう体の左右の機能をフル回転させるわけです。
(p.95)
小山正辰氏著「空手道の教育力」より
「受け」も意外と複雑な腕の動きがある
攻撃を「受ける」。
その「受け」動作にも、腕の回転動作があったり、肘を支点にして腕を振り下ろすとか、右手と左手で全く違う動きを同時に行うとか、意外と複雑な動きをするものだったり。
ただ腕で受ければ良いわけではない。
更に、肩甲骨の柔軟性が要求される。
自分の腕が受け動作に慣れるのも本当に難しい。
早さ、動きのキレ、力強さ、すべて不足
突きも受けも、早さ・動きのキレ・力強さがないので「もっさり」です。
この三拍子揃えるのは相当だと思う。
先輩方の動きを見ていると、まず「音」が違います。
(「道着が擦れる音」らしい)
初心者にあの音は出せない。
「素早くキレがあり力強い」動きが難なくできるのは、筋力と柔軟さのバランスが良いのでしょうね。
今は動き方に慣れることだけで精一杯
初心者は自分の体に動作を覚えさせることで精一杯なので、
無意識でも正しく突きが出せる。
(突きを出す位置、高さ、拳の握り方と向き、引き手にも注意を払う必要がある)
無意識でも正しく受けができる。
(受ける位置、高さ、手刀の形、引き手にも注意を払う必要がある)
…これらができるように、繰り返し練習です。
空手は、左右の腕に別の動きをさせないといけないため、最初は本当に頭が混乱しました。
ある意味、良い脳トレだと思います。(笑)
これは「ボケ防止」にやり始めてみると面白いかもしれない。
上達は努力次第かな
熟練者であれ、その昔は初心者だったわけで、地道にコツコツ積み上げてきたはず。
圧倒的に練習量に差がある。
それなら、練習で数をこなして、自分なりにコツを掴んで、身につけていくしかない。
初心者が「もっさり」を卒業したいのなら、真面目に努力すべし。
はい、がんばります。