肌断食で脂漏性皮膚炎になる。皮膚常在菌数との切れない関係

肌断食は、「やり方」だけ見るととても簡単なんだけど多くの危険が潜んでいる方法だと思う。

今回は、肌断食を取り入れると、人によっては脂漏性皮膚炎を引き起こしてしまう要因について考えてみます。
因みにここで言う肌断食は「週末だけ肌断食」などの一時的なものではなく長期間継続的に行うものとして話をします。

※あくまで個人の見解です。

肌断食と脂漏性皮膚炎の密接な関係

肌断食を始めてから脂漏性皮膚炎になったという情報はよく見かけます。

脂漏性皮膚炎は「マラセチア菌の増殖が原因」という見方があります。

マラセチア菌は日和見菌であり、普段は悪さをしないが、善玉菌が弱まった環境下で増えすぎると悪影響を及ぼすこともある。

日和見菌が増殖すると何が悪いか?というと、どうやら「菌が皮脂を分解→遊離脂肪酸が増える」ことがよろしくないらしい。
遊離脂肪酸が酸化すると、肌への刺激となります。

菌増殖による遊離脂肪酸の増加。
そこから考えると、肌断食で脂漏性皮膚炎を誘発してしまう原因としてはお肌の「皮膚常在菌のバランスが悪い」ことが言えます。

そして、もうひとつ原因として言えることは、「肌が薄くなっている」こと。

皮膚常在菌のバランスが崩れる原因

では、なぜ皮膚常在菌のバランスが崩れるのか?
それは毎日のスキンケアに答えがあります。

市販のスキンケア用品を常用しているということは、そのスキンケア用品に配合されている防腐剤を毎日、肌に塗布しているということ。

つまり、ごく少量ながらも防腐効果のある成分で肌を除菌し続けている、ことになります。
因みに、石けんや洗顔料の使用でも同様に除菌していると考えて良いです。
(水で顔を洗うだけでも菌が洗い流される)

無意識に除菌し続けることによる弊害

これも毎日の積み重ねです。
無意識に除菌を続けることにより、肌に棲む常在菌の数が強制的に減らされて、善玉菌・日和見菌・病原菌、それぞれの数量が変動していく。
やがて常在菌叢のバランスが崩れ、最悪、病原菌が増えやすい肌環境が整います。

病原菌が増えやすい肌環境はアルカリ性に傾いた状態。
善玉菌は弱酸性下で増えやすいので、アルカリ下では善玉菌にとって不利であり、肌を健やかに保つことが困難になる。
その結果、異常に増えてしまった病原菌や日和見菌が肌トラブルを引き起こすという結末に…。

洗顔等により一時的に菌の数が減るが、数が減ったままというわけではなく時間経過で増えていく。
菌が増えやすい環境下であれば除菌を続けていても正常な常在菌数を保てる可能性もある。強いお肌なら。


【注釈】肌の弱酸性とアルカリ性について

「アルカリ性下で病原菌が増えやすいのなら、弱酸性の洗顔料で洗えば良いのでは?」
と考えがちですが、それは違う。
肌が弱酸性に保たれている理由を考えると、洗顔に使うものの液性など考えても無駄だとわかります。


肌断食を始めるときの注意点

上記の理由から、
「スキンケア用品を長年使い続けてきた」という場合は、少なからず「本来いるべき皮膚常在菌」が極端に減っている可能性があることを心得ておく必要があります。

肌断食を始めた際、仮に病原菌が優位に働く肌環境だったとして、

水洗顔により一定量の常在菌を洗い流す

経時的に病原菌や日和見菌が増える(善玉菌が少ない)

皮膚炎を引き起こす可能性大

その場合、「肌を除菌しなければ病原菌などの影響を受ける」ことになるので、肌断食は失敗してしまいます。

まとめると

肌断食に「どんな結果を求めるか」も「続ける理由」も人それぞれ。
肌断食のやり方は簡単だからこそ、見落としがちな可能性をよく理解しておくことが大事です。

  • スキンケア用品を使い続けた年数分、肌を除菌していることになる
  • 使用中のスキンケア用品の種類(何種類重ねて塗布しているか)にも左右される
  • 肌が薄くなっている場合は、肌の回復力が衰えているので要注意
  • 汗をかく習慣がない場合は、そもそも善玉菌が増えにくいので注意

特に肌が極限まで薄く、完全なるビニール肌になっている場合は要注意。
(※私です)
ビニール肌状態は何かトラブルが起きたときに、持ち直しがきかず悪化の一途を辿ります。


肌をむやみに除菌してはいけないのですね…

病原菌の感染予防という理由で清潔ブームの世の中。
しかし、私を含め、肌の弱い人は積極的に肌を除菌・消毒したり、身の周り品を抗菌グッズで揃えることは控えるほうがよろしい。
なぜなら、積み重ねで肌の抵抗力を弱めてしまうから。

とはいえ、日常生活を送る上では外で抗菌グッズを手にする機会も多いので、それらをすべて避けることは困難ですが…。

おわりに

私の場合、脂漏性皮膚炎発症が先で、あとから肌断食(水洗顔)を始めたのですが、その後も順調に悪化したので、人一倍、皮膚常在菌数が少なかったであろうことは自負しております。

菌と上手く付き合っていくことが大切だと教えられた痛い事件でした。

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