今回は「不全角化」についての勉強です。
肌荒れの原因を把握するために、様々な観点から肌の状態を考察していこうと思います。
単純に、自分用のメモです。
不全角化とは?
肌の角質層に、「核」の残った角質細胞が多く存在する状態。
通常、角質細胞は「核」を持たない「死んだ細胞」です。
つまり、角質層内に核を持つ角質細胞が存在するのはとても不自然な状態だということ。
細胞分化が不完全になる理由として挙げられるのは、肌の新陳代謝(ターンオーバー)の乱れです。
ターンオーバーの過程で、細胞の分化や増殖のスピードが通常より早くなった結果、核が残ったままの不完全な細胞が角質層まで押し上げられる。
つまり
不全角化とは、ターンオーバーが乱れた状態そのものを示している、と。
「毛穴が目立つ」際の皮膚状態
その、すり鉢状部分の皮膚を見ると、角質層に「核」の残った細胞が多く観察される。
つまり、毛穴の角質層が不全角化状態になることで、毛穴の形状がすり鉢状になり、結果、「毛穴が目立つ」ことになっているわけなのよ、と。
それじゃ、毛穴が目立つ原因というのも、「ターンオーバーの乱れ」が引き起こした結果だということなのね…。
不完全な角質細胞は脆い
そもそも細胞分化が不完全ということで、核を持った角質細胞は、大事なバリア機能としての充分な能力を備えていないことがわかります。
未熟な角質細胞は強固なバリア機能として働いてくれないので、刺激に対して脆く、壊れやすい。
保湿機能も弱く乾燥しやすい。
肌に良い皮膚常在菌が住みにくい。
この状態になると、毛穴問題に限らず、あらゆる肌トラブルが起きやすくなるということですね。
不全角化を引き起こす要因
言い換えれば、お肌のターンオーバーを早める要因となるものすべてです。
- 生活習慣
- 物理的に角質を削り取る
- cis型不飽和脂肪酸
最後の項目、「え、何これ?」って感じですね。
cis型不飽和脂肪酸により不全角化を招く
いきなり理系の話になりますが、メカニズムは以下です。
cis型不飽和脂肪酸がNMDA型グルタミン酸受容体に作用する
↓
→イオンチャネルからCaイオンが入り、細胞内Caイオン濃度が上昇
↓
→それが増殖シグナルとなり、急いで角質細胞が作られていく
↓
→不全角化
難しいのでざっくり言うと、
cis型不飽和脂肪酸が「角質細胞を早よ作れ」という肌への命令を誘発する、ということでしょうか。
(ざっくり過ぎ)
cis型不飽和脂肪酸って?
オレイン酸や、パルミトレイン酸など。
これら不飽和脂肪酸が不全角化を誘発しているとすると、注意すべきはこの2つ。
- 化粧用オイルとして植物油を肌に塗ること
- 分泌された皮脂に含まれる遊離脂肪酸
化粧用オイルによる不全角化促進
オレイン酸を多く含む植物油には注意。
- 椿オイル
- オリーブオイル
オレイン酸はニキビを悪化させるという情報もあります。
これも、不全角化により毛穴が詰まりやすくなることが理由のひとつになるのではないでしょうか。
あと、宇津木氏の本で「肌にオイルを塗るとターンオーバーが正常に働かなくなる」と記載がありましたが、こういう理由が元だったのかな?と。
(本の中では「代謝が遅れる」方向だった気もするけど)
皮脂に含まれる遊離脂肪酸による不全角化促進
皮脂にも不飽和脂肪酸であるオレイン酸が含まれるので、不全角化が促進されるということになります。
となると、分泌する皮脂量を出来る限り減らせれば良いじゃないか?という結論に至る。
そのためには、肌を乾燥させない工夫を凝らすことが大事。
対策は様々あると思いますが、以下はそのひとつということで。
まとめると
- 不全角化=ターンオーバーが異常に早い
- 不全角化により毛穴の形状がすり鉢状になる
- すり鉢状になった毛穴は目立つ
- 不全角化は角質が脆いので毛穴が詰まりやすくなる
- 肌荒れ全般に不全角化を指摘できる
- 化粧用オイルが不全角化を助長することもある
- 自分の皮脂が不全角化を助長することもある
つまり、ビニール肌というのも
ビニール肌は不全角化の成れの果て、ということですかね。
これがわかると、過去に自分がどれだけ肌に良くないことをし続けてきたかを思い知るので辛いです。
何年もオイルを肌にベタベタ塗ってきたし、皮脂分泌も大量に垂れ流してきたわー。
恐ろしい!
おわりに
恐るべし、不全角化。
気付くのがだいぶ遅かったな、とひたすら反省です…。